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Power Automateにおける変数の設定方法・活用シーン

Power Automateを使って業務を自動化しようとした際、「変数」という聞き慣れない単語に戸惑っていないでしょうか。
「変数」を知っている前提で解説されても、困ってしまいますよね。

この記事では、

  • 変数とは何か
  • Power Automateでの変数の設定方法
  • Power Automateでの変数活用シーン

を解説します。

変数を正しく理解すれば、今までよりもスムーズに、修正しやすいフローを作成できるようになります。

—この記事の監修者—

ヒョウノモトハル

  • 1979年神奈川県生まれ
  • 大学卒業後、モラトリアム期間を経て会社員となる
  • 経理・総務・管理といったバックオフィスでの経験を積み、2016年から会社の情報システム部門へ転属
  • その後2021年にキャリアの経験を活かし、Microsoft365関連の講座でUdemy講師としてデビュー
  • 2023年現在、受講生5万人を抱えるベストセラー講師となる

変数とは

変数とは、値を入れる箱のようなものです。
以下、3つの要素を持ちます。

  • 名前(Name)
  • 型(Type)
  • 値(Value)

それぞれ簡単に解説します。

1.名前(Name)

1つめの要素は名前です。変数の値を利用する際、名前を使って呼び出します。
自由につけられますが、中身がわかるような名前にすると使いやすいです。

2.型(Type)

2つめの要素は型です。
型とは、中に入れる値の種類のようなものです。

Power Automateでは、6つの型が用意されています。

種類(旧画面での名称)入れられる値
Booleanブール値「True」もしは「False」
Integer整数整数
FloatFloat小数
String文字列文字
ObjectオブジェクトJSON形式の複雑な構造の値
Arrayアレイ配列

BooleanやArrayなどはプログラミング未経験の方にはとっつきにくく、いきなりすべてを理解しようとすると挫折します。
特によく使うのは、Integer(整数)とString(文字列)だけです。
まずはこの2つをおさえ、他は必要になりそうなタイミングで理解すると良いでしょう。

3.値(Value)

最後は値です。箱の中身そのものを指します。

値は、型に対応します。
例:

  • 型がIntegerの変数には、「123」「300」などの整数が入れられる
  • String型の変数には「こんにちは」「ABCDEF」などの文字列が入れられる

変数の設定方法

続いて、Power Automateにおける変数の設定方法をお伝えします。

変数を初期化する

変数を使うには、初期化する必要があります。
アクション名はそのまま「変数を初期化する」です。

初期化では変数の3つの要素(名前、型、値)を設定します。


名前と型は原則固定ですが、値に関しては後処理で変更できます。
「初期値」という扱いです。

変数の値の変更

「変数」という名前のとおり、中の値(Value)は変更できます。
値を変更するアクションは、5つ用意されています。

アクション名対象の型(Type)
変数の設定すべて
配列変数に追加Array
文字列変数に追加String
変数の値を減らすInteger、Float
変数の値を増やすInteger、Float

特によく使うアクションは、「変数の設定」です。
設定できる内容の自由度が高く、どの型の変数にも利用できます。
ただし、アクションとして用意されている操作は、アクションを使った方が設定が楽です。
「配列変数に追加」「文字列変数に追加」「変数の値を減らす」「変数の値を増やす」以外のことをしたい場合のみ、「変数の設定」を使うと良いでしょう。

変数の活用シーン

最後にPower Automateにおける変数の活用シーンをお伝えします。
あらゆる場面で活用するプログラミングの変数とは異なり、Power Automateでの変数の利用シーンは限定的です。

1.同じ値・計算式を使い回す

同じ値や計算式を使い回す場合、変数を使うと便利です。

例えば、

  • フローがシンプルになる
  • 修正が楽になる

というメリットがあります。

例えば「受信したメールの件名の先頭5文字を、2箇所以上のアクションで使う」ような場合。
メールの件名先頭5文字を取得するには、以下のような計算式を記述します。

substring(triggerOutputs()?[‘body/subject’],0,5)

この「メールの件名先頭5文字」を
条件分岐の条件やExcelへの転記等、複数のアクションで使う場合。
その都度、上記の計算式を記入するのは大変です。

(画像はイメージです)

また「先頭5文字ではなく4文字にしたい」等の変更があった場合、すべての計算式を漏れなく修正する必要があります。
計算式の使い回しは、バグ(意図しない動作)の原因にもなりうるのです。

こういった値・計算式の使い回しの場面で、変数が活用できます。

<変数の初期化>アクションを使い、以下の変数を用意します。
ポイントは、Value内に先ほどの「メールの件名先頭5文字を取得する計算式」を記載することです。

Nameメールの件名先頭
TypeString
Valuesubstring(triggerOutputs()?[‘body/subject’],0,5)

件名の先頭5文字が必要なアクション内では、この変数を呼び出すだけです。

計算式を変数として定義しておくと、変更も容易になります。
文字数を5文字ではなく4文字にする場合、変数の値に設定している計算式を直せば修正完了です。

繰り返し条件として活用する

処理を繰り返すコントロール<Do Until>内でも変数が活用できます。


例えば、ある処理を3回繰り返したい場合。
以下の手順で、繰り返し回数をカウントするための変数を用意して、実装します。

1.変数「カウンタ」を用意して、初期値を1に設定

2.カウンタの値が4になるまで繰り返す

3.繰り返し処理内で、変数「カウンタ」の値を1増やす

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