SEOとは「Search Engine Optimization」の略称で、「検索エンジン最適化」を意味します。
現代社会において一般的なインターネットユーザーが新しい情報を見つけ出す際には、何かしらの興味を持った「キーワード」をGoogleなどの「検索エンジン」で検索するというのが通常の流れとなります。
この際に貴方がこの「キーワード」に関連するビジネスに従事しているのならば、「自分のビジネスに興味を持った、潜在的な顧客になりうる『キーワードを検索したユーザー』に自分のビジネスを知ってもらい、さらにファンになってもらいたい」と考えるでしょう。
その希望を叶えるマーケティングツールがSEOなのです。
貴方のビジネスを紹介するサイトがSEOを正しく実行出来ていれば、検索ユーザーが求める有益なコンテンツを提供し、そのコンテンツが検索エンジンに評価され、ユーザーが検索した「キーワード」の検索結果の上位に表示されるようになり、当然それに比例してサイトを訪れる潜在顧客の数も増えていきます。
こういった状態を安定して作り出し続けられれば、次第に貴方のビジネスにはたくさんのファンが集まり、最終的に貴方の求める成功が手に入ることでしょう。これがSEOの目的とするところであり、この記事はSEOを体系的に理解するためのガイドラインとして作成されています。
SEO対策はSEOを目的として行う、より具体的な施策のことを指します。
SEO対策には様々な方法がありますが、この記事では大きく「コンテンツ制作」「内部対策」「外部対策」「ページエクスペリエンス最適化」の4つに分けて解説します。
各対策の詳細は後述しますが、どの項目も検索エンジンの評価に深く関わっているため、それぞれの項目に対して、適切な施策を実施することが重要です。
また、SEO対策の結果である「検索結果を上位表示させること」は、「問い合わせの数を増やしたい」、「閲覧数を増やすことで商品を知ってもらいたい」といった具体的な最終目的を達成するための一つの手段でしかないため、対象のサイトを通して何を実現していきたいのかを決めることがSEO対策のスタートであるとも言えます。
ですから、SEO対策を正しく行うために、まずは自分が何をしたいのかを明確にするようにしましょう。そしてさらに、対象のWebサイトを訪れるユーザーの目的への理解を深め、検索エンジンの性質を理解して、より良い施策を実行していきましょう。
SEO対策に取り組む最大のメリットは、コンテンツが拡充し、ユーザーの目的を十分に満たせるサイトになることで、よりたくさんのユーザーを集客できるようになることです。
それ以外にも「(サイトへの)検索流入数が増える」「ブランディングを補強する」「資産になる」などのメリットがありますのでそれぞれ解説していきます。
多くのユーザーが何かを検索する際、検索結果を上から順に見てクリックするサイトを選ぶので、検索結果の上位に表示されるようになるとそれだけでクリックされる可能性が高くなります。
そのため、SEO対策によってサイトの検索順位が上位に表示されればされるほど、安定した流入が期待でき、SEOを始める時に決めた最終目標の達成に大きく近づくことができます。
「流入が増えている」≒「集客ができている」ということになりますので、営業活動・採用活動・販促活動などの他の活動にも活かすことができます。
ちなみに「オーガニック検索」というのは「広告に依らない検索結果」のことであり、Googleの検索結果でいうと「キーワードに関連したリスティング広告」で出てくる2,3のサイト以降に並べられているサイトを表します。
ブランディングは商品や企業に対する消費者のイメージをポジティブなモノにすることで競合に対して差別化を図る戦略です。
一見、検索順位が上がることと関係なさそうに見えますが、ユーザーが何かサービスや商品について調べる際に、対象のサイトがサービスや商品に関連のあるキーワードで上位表示されている場合、それだけでユーザーの目に触れる機会が増えます。
そうなることで、商品・サービスを検討している見込み客に早い段階で認知してもらえるだけでなく、単純接触効果によるイメージUPやサイト自体の認知が向上し、結果的にブランディングに貢献できるようになります。
作成したコンテンツはわざわざ削除しない限りは半永久的にインターネット上に残り、ユーザーにアプローチし続けるための営業的な資産になります。
また、SEO対策を始めると多くの場合コンテンツを拡充することに繋がるため、Webサイトに良質なコンテンツが増え、サイト全体の評価(DR)も上がっていきます。
そうなれば、同じジャンルの他のキーワードでコンテンツを発表する際にも有利に働くことになり、検索結果の上位表示を狙いやすくなります。
一度何かしらのキーワードで検索上位を獲得できるようになるとユーザーの安定した流入が見込めたり、集客のみならずセールスにも活用できるなど、一度作成したコンテンツは比較的長い期間、多様に活用することができます。
検索エンジンには様々なものがありますが、その中で最もシェアが大きいのはGoogleの検索エンジンです。(Yahoo!の検索エンジンはGoogleと同じ検索エンジンを使用しています)
そのため、SEO対策をするとなった場合はGoogleの検索エンジンがどういうアルゴリズムで動いているのかを意識する必要があります。Googleは公式に「ユーザーにとって価値のあるサイトであるかどうか」を特に重視していると発表しています。
こういった考えに基づいてGoogleのアルゴリズムは定期的にアップデートを継続していて、いわゆる検索エンジンアルゴリズムの穴を攻略する類の旧来のSEO施策は意味をなさなくなってきています。
今後SEO対策をする上でコアとなる重要な考え方を紹介していきます。
Googleは「Googleが掲げる10の事実」にて、Webサイトの運営者に向けてGoogleが理想とする検索エンジンアルゴリズムの考え方を発表しており、上位表示をするために検索エンジンに向けた最適化を行うのではなく、画面の向こう側にいるユーザーに対して最適化を行うからこそ上位表示されることが理想だと述べています。
SEO対策をする際には、Googleはこのような考え方をしているということを理解してコンテンツを作成しましょう。
上記のフィロソフィ以外にもGoogleはWebサイトの運営者に向けて公式のガイドラインを発信しています。ガイドラインには、Googleの定めた基本方針、コンテンツの評価基準、ペナルティの対象となる不正行為が記載されています。
Googleが公開しているドキュメントは随時更新されているので、SEO対策をする際にはしっかりと事前に確認を取ることを推奨します。
Google検索品質評価ガイドラインには「E-E-A-T」(経験・専門性・権威性・信頼性)と「YMYL」(Your Money or Your Life)という基準があり、公開されているガイドラインの中でも特に重要な基準となりますので、詳しく解説していきます。
E-E-A-Tは、Googleの検索結果がユーザーにとって有益で的確な情報を提供しているかを評価するための基準で、コンテンツの内容とコンテンツ自体の作成者がどの程度信用できるか、ということを評価します。
Experience(経験):コンテンツ作成者が、コンテンツ内容を語る上で必要な直接の経験または人生経験をどの程度持っているか
Expertise(専門性):コンテンツ作成者がそのトピックに関して必要な知識またはスキルをどの程度持っているか
Authoritativeness(権威性):コンテンツ作成者または Web サイトが頼りになる情報源としてどの程度知られているか
Trust(信頼性):ページがどの程度正確で、正直で、安全で、信頼できるか
品質評価ガイドラインにも記載があるように、この4つの基準の中で最も重要なのは「信頼性」であるとされています。
E-E-A-Tが高ければ、そのWebサイトやページの品質評価が高まり、検索結果の表示順位にも影響するため、SEO対策の観点からも重要な概念です。
引用:品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加
YMYLとは、「YourMoneyorYourLife」の略語で、「人々の将来の幸福、健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与える可能性のあるページ・トピック」を意味しています。
Googleは、下記のようなテーマをYMYLの対象としています。
⑥人々のグループ(人種・宗教・国籍など)
人種、民族的出身、宗教、生涯、年齢、国籍、退役軍人の地位、性的指向、性別または性同一性といった人々のグループに関する情報や主張を提供しているページ
⑦その他
フィットネスや栄養、住宅情報、大学の選択、仕事の探し方などはYMYLとみなされることがあります。また、これら以外にもYMYLとみなされる可能性のある、生活の大きな決定や重要な局面に関連するトピックは多くあります。
YMYLを扱うページに誤情報が載っていると、その情報を信じた人の人生に大きな影響を与えてしまいます。よってYMYL領域には、情報の正確性や信頼性を判断するための厳しい基準が設けられているのです。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンはインターネット上を、「クロール」し、各サイトの情報を詳細に「インデックス」して、データベースに登録・蓄積していきます。
そして、ユーザーが何らかのキーワードで検索をしたときに、データベースに登録されているサイトの「コンテンツの質」・「被リンク」・「ドメインの強さ」などを「アルゴリズム」に沿って総合的に評価し、ユーザーのインサイトに対する適合性が高い順に表示します。
これが検索エンジンで検索順位が決まる仕組みの概要です。各フェーズで実際に何が起きているのかは以下の通り。
クローラーと呼ばれる検索エンジンのロボットがインターネット上を巡回してコンテンツを発見し内容を認識することを指します。検索エンジンにWebサイトが発見・認識されないと、検索結果に表示されることはありません。
クローラーが集めたコンテンツの情報を整理整頓して、データベースに格納することを指します。
インデックスされるまでの時間は数時間〜数週間とサイトやページによってまちまちです。
急いでインデックス登録をしたい場合は「Google SearchConsole」にてリクエストを送ることでクローラーの巡回を誘致することができます。
クローラーによって収集されインデックスされた情報は、各検索エンジンの検索アルゴリズムによって大まかに、「コンテンツ評価」・「被リンク評価」・「ドメイン評価」をし、ユーザーが入力した検索キーワードに対して総合的に評価が高い順にランキング表示されます。
検索エンジンのアルゴリズムは200以上の要素の組み合わせで構成されており、これらの重みづけなどは非公表なので、評価の良し悪し・改善方法などは仮説に基づいて行うより外にありません。
コンテンツ評価を高めるためには「ユーザーの疑問を解決する」「興味・関心を満たす」「有益で役に立つ情報を提供する」のいずれかもしくは全ての条件を満たしたコンテンツを作成する必要があります。
Googleはコンテンツの質を評価する基準を公開していませんが、Google検索セントラルにて「質の高いサイトと見なされるもの」としてGoogle のサイト品質アルゴリズムの考え方を公開しています。
WEBサイト全体に関する項目もありますが、コンテンツの質を上げるための考え方に関する項目もいくつかあるため、一部を紹介します。
被リンクは外部のサイトから対象のサイト・ページに向けて設置されたリンクのことを指します。
被リンクはコンテンツのE-E-A-Tに関連があり、サイトのコンテンツと関連がある外部サイトから被リンクを受けると良いとされています。
外部のサイトから被リンクを受けることは基本的に良いことではありますが、全く関連性のないサイトや質の低いサイトから被リンクを受けている場合、自分のサイトに悪影響を及ぼす場合があります。
被リンクの数は堅実にサイト運用をしていれば自然と増えていくものですが、全く関係のないサイトや質の低いサイトからのリンクが混じっていないかを確認し、必要に応じてリンクを無効化するなどの対応を取るようにしましょう。
各検索エンジンは検索順位を決める際、各コンテンツごとだけではなく、ドメインごとにサイト全体の評価もしているとされ、ドメインの評価が高ければ高いほどそこに含まれるコンテンツ自体も高く評価される傾向にあります。
ドメインの評価は単純な流入数以外にも、専門的なコンテンツをアップし続け、質の高い被リンクを獲得していくことで、Webサイト自体の専門性や権威性が高まることとなり、結果ドメイン自体の評価が上がるという仕組みになっています。
SEO対策を初めてすぐに変化する指標ではないため、ドメイン評価自体よりもしっかりとユーザーのニーズやインサイトを満たすコンテンツを作り続けることを意識しましょう。
検索エンジンの仕組みとその評価に対する考え方が理解できたところで、具体的なSEO対策を始める前に、対象のサイトに分析ツールを導入してサイトの状態を詳細に知ることのできる環境を整えましょう。
ツールには無料で使用できるものと有料のものがありますが、SEO対策に限らず、他のマーケティング施策を行う際にも有効利用できるものなので、無料で使用できるものだけでも一通り導入することをおすすめいたします。
無料で使用できるツールでも特におすすめなのは「Google Analytics 4」と「Google Search Console」です。この2つは設定を完了した時点からデータの蓄積を始めますので、前もって設定をすることをおすすめいたします。
Googleが無料で提供しているWebサイトのアクセス解析ツールで、サイトから計測した様々なデータを計測することが可能です。
計測できる情報は多岐に渡り、サイト内の各ページのPV数の推移、平均エンゲージメント時間、どんなユーザーがサイトに訪れたか、サイトに訪れたユーザーの動きなどがあります。
GA4は設定を完了したタイミングから計測を開始するため、設定が完了してすぐにはデータが蓄積できておらず、分析できることが少なくなりますので、サイトを作った段階でGA4を導入しすることをおすすめいたします。
こちらもGoogleが無料で提供しているウェブサイトのアクセス解析ツールです。
サイト全体で獲得しているキーワードごとの表示回数やクリック数、掲載順位などの情報や、各ページでどんなキーワードを獲得しているのかを確認することができ、自社ホームページがどのようなキーワードで検索された際に表示されているのか、そこから実際にどの程度クリックされているのかを確認できます。
GA4と同じように、設定が完了してからデータの蓄積を開始しますので、こちらもサイトを作った段階で一緒に設定をしておきましょう。
Lighthouse(ライトハウス)は、Googleが無料で提供しているWebサイトを分析・診断するための、Google Chrome拡張機能です。
自身で運営しているサイト以外のサイトにも使用可能で「Performance(パフォーマンス)」「Accessibility(アクセシビリティ)」「Best Practices(ベストプラクティス)」「SEO」「Progressive Web App(プログレッシブウェブアプリケーション)」の5つの項目でサイトの情報を確認できます。
簡単にサイト構成の課題や改善方法を把握できるので、対象のサイトのマイナス評価に繋がっているものがないか確認をするときに使用することが多いツールです。
Google広告内にあるキーワードプランナーは、キーワード毎の月間の検索ボリュームを確認することができるツールです。
キーワードプランナーは、1つの単語を入力するとそれに関連するキーワードの検索ボリュームも抽出してくれるため、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかをより詳細に確認することができます。
使用するタイミングとしては、Google Search ConsoleやGoogleアナリティクスでキーワードを確認した後に、他に流入が見込めそうなキーワードの検索ボリュームを確認するときに使用します。
キーワードプランナーは基本的には無料で使用できるツールですが、Google広告に出稿していないアカウントでは、検索ボリュームの情報があいまいな数値で表示されるため、広告を出稿するか後ほど紹介する他のツールの使用を検討する必要があります。
※アダルトやタバコなどの一部のキーワードの情報は表示されないので注意が必要です。
ラッコと呼ばれるサービスにはWebで使えるさまざまなツールがありますが、SEO対策をする際によく使用する「ラッコキーワード」と「ラッコツールズの見出し(hタグ)抽出」を紹介していきます。
ラッコキーワードは検索エンジンで特定のキーワードを入力したときに表示されるサジェストキーワードを表示してくれるツールです。
検索エンジンのサジェストキーワードは、検索しているユーザーが何を求めているのかを想定して出されているため、SEO対策でユーザーの心理を分析するときの参考になります。
続いてラッコツールズの見出し(hタグ)抽出ですが、こちらはサイトのURLを打ち込むことで、そのページ上の全ての見出しを自動的に抜き出してくれます。
こちらのツールは基本的にコンテンツの内容分析に使用するもので、コンテンツ全体の流れや含まれる情報の足りていない場所などを確認するときに使用します。
ラッコキーワードは無料でも使用できますが、有料版と違い1日にキーワードを検索できる回数が10回となっているので、確認したいキーワードが多い場合は数日かけるか有料版にすることを検討する必要があります。
有料で使えるツールは様々なものがありますが、そのなかで特におすすめの「Ahrefs」(エイチレフス)と「Ubersuggest」(ウーバーサジェスト)を紹介していきます。
エイチレフスは、シンガポールに本社を置くAhrefs社が提供するSEO分析ツールです。
ドメインランクや被リンク、サイトに流入しているキーワードを確認することができます。
・ドメインランク
Ahrefsでは、独自のアルゴリズムで出した被リンクの数と質の評価を基準にドメインランクを算出しています。
競合のサイトと対象のサイトの間に大きな差があるのであれば、いくら良いコンテンツを作っても上位表示することはかなり難しいと言えます。
そのため、前もってドメインランクを比較することで、そのような事態を未然に防ぐことができます。
・被リンク
被リンクはSEOの中でも「コンテンツの関連性」に影響があり、競合サイトが獲得している被リンクを分析することで、自社のサイトでも被リンクをもらうことは可能か、被リンクされるコンテンツの共通点は、といったことを探ることができます。
・流入しているキーワード
競合サイトの流入キーワードを確認することで、自社のサイトでも取れる可能性があるキーワードがないか調べることができます。
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、アメリカの有名なデジタルマーケターであるニール・パテル氏が、開発・提供しているツールで、キーワード毎の月間の検索ボリュームを確認することができます。
Googleキーワードプランナーと比較されることが多いツールですが、キーワードプランナーよりも月間の検索ボリュームが詳細に出る点や、SEO対策をするにあたっての難易度やクリック単価を確認できる点が大きく違います。
さらに、競合サイトでアクセスの多いキーワードやキーワードやどんなサイトから被リンクをもらっているか確認することができるので、SEO対策を始める前の事前調査をする上でかなり使い勝手の良いツールです。
検索回数が大きく制限されますが、無料でも使用することのできるツールですので、無料版で実際にどんなことができるのかを試してから、有償版を使用するかどうか選択することをおすすめします。
SEO対策を始めるためには、現状の把握と目標設定が必要です。SEO対策の際によくある失敗に、目的とずれたゴールを設定してしまい、思うような効果が出ないといったことがあります。
例えば本来は「売上の増加」が目的のはずなのに、「アクセス数の増加」にとらわれてしまい、「評価獲得は容易」でも「コンバージョン率は低い」キーワードの検索順位を上げる選択をしてしまう。これは、結局「売上の増加」という目的を達成するのには効率の悪い状態と言えるでしょう。。
この例は、アクセス数の増加が売上の発生の前の段階で起きているため、「相関性はある」が「正解そのもの」ではないゴールを設定してしまったことが原因と考えられます。様々な施策を試行しているうちに、最初に設定した目標とずれた行動をしてしまうというのは往々にして起こりうる話です。
そのような事態を避けるためにも、ここからはユーザーのニーズや検索意図を把握するために必要な考え方を説明していきます。
Googleアナリティクス4やGoogle Search Consoleを活用すれば、サイトが獲得しているキーワード、どんなユーザーがサイトを訪問しているのか、最も閲覧数が多いページ、最も滞在時間が長いページなどを確認することができます。これにより自社のサイトにどんなニーズがあるのかを推測することができます。
ここで言うニーズとは、検索エンジンでユーザーが検索をする際に、そのキーワードを入力した目的のことを指し、ユーザーがどんな目的を持ってサイトを訪問したのか推測できるということです。
ユーザーのニーズを知る方法はツールだけではなく、実際に商品やサービスを使用した人の感想が必要不可欠です。レビューや口コミなどの生のお客様の声も重要なニーズを知るための情報源になりえます。
こういった様々な方法でユーザーのニーズを知り、コンテンツ作成に活かすことで、訪問したユーザーが離脱しにくい質の高いコンテンツを作成することができる様になるのです。
ペルソナには「人格」や「仮面」という意味がありますが、マーケティングの世界では自社商品やサービスを利用する典型的なユーザー像をペルソナと呼びます。
ユーザーとなる人物像を設定しておくことで、ユーザーにはどのような人物がいるのか、どのような購買行動をするのか、などということについて社内やプロジェクトメンバーで共通の認識をもつことが容易になります。ペルソナ設定は、ユーザー視点で物事を考えやすくする手法として有効です。
SEO対策をするにあたっても、プロジェクトの内容によっては多くの人数が関わることになりますが、ペルソナを設定して共有しておくことで、ユーザーのニーズとコンテンツの内容にズレが生じるリスクを減らすことができます。
インサイトというのは、何がしかのキーワードで検索をしたユーザーの潜在意識のことで、「検索」という「行動」の背景にある、より潜在的な心理や本音・ニーズなどのことを意味します。
インサイトは購入したユーザー自身でも説明できない場合もあり、何気なくとった行動にも本質的なニーズが隠れている場合もあります。なので、何か一つの情報(キーワードなど)だけから判断するのではなく、より多くの情報(複数のキーワード・ユーザーのサイト内の動き・ユーザーの年齢など)から多角的に推測する必要があります。
「潜在的」であるため、把握することが難しい領域ではありますが、質の高いコンテンツを作成するためには仮説と検証を重ね本質に迫る必要があります。
SEO対策において競合調査は初期の基本方針を定めるために重要な役割を持ちます。調査の対象は大概の場合これから対策しようとしているキーワードの検索結果上位に表示されているサイトになります。
既に検索結果の上位に表示されているサイトには、その関連キーワードで検索結果上位を獲得するためのヒントが隠されています。例えば、タイトルやディスクリプションから対策しようとしているキーワードを好むユーザーの傾向を把握できたり、サイト内のコンテンツの量を把握することでどの程度コストがかかるか予測を立てられたり、といった情報をを知ることができます。
こういったことを事前にしっかりと調査して、どのように競合と差別化していくのかを考えるようにしましょう。
SEOで検索結果の上位表示を獲得するための施策には様々なものが存在しますが、大きく『コンテンツ制作』『内部施策』『ページエクスペリエンス最適化』『外部施策』の4つに分けられます。
コンテンツを制作する上で最も重要なことは、ユーザーの知りたい情報を不足なく網羅的に提供している質の高いコンテンツになっていて、尚且つそれが検索エンジンにも評価されているということです。
対策したいキーワードによって中身が変わってくるため、明確な共通した正解はありませんが、抑えておくべきポイントをいくつか紹介していきます。
各検索エンジンの検索結果の順位は、常に競合サイトと比較されて相対評価で決定されます。そのためターゲットキーワードを選ぶ前に、競合となりうるサイトを調査し、どの程度の労力で上位表示が狙えるのか大まかに予測を立てておきましょう。
キーワード選びで失敗すると、上位表示するためにコストがかかりすぎる、そもそも上位表示ができない、上位表示してアクセス数が増えても問い合わせが増えない、などの問題も発生しますので下記の手順で進めることをおすすめします。
ユーザーの検索ニーズを知るにはターゲットキーワードで検索した際に、すでに上位表示されているサイトの見出しやサジェストキーワードから推測します。
既に上位に表示されているサイトは、検索エンジンにそのキーワードで検索するユーザーのニーズを満たしているとされ上位表示されています。
そのため、ページを作る際にそれらのサイトの内容を網羅することで、より検索ニーズを満たすページを作ることに繋がります。
また、サジェストキーワードは検索窓に何か調べたいキーワードを入力したときに自動的に表示される検索候補のことですが、これらは実際に検索しているユーザーの情報を元に出されているため、ユーザーの検索意図を推測する手がかりになります。
訪れたユーザーにとってサイトの情報が検索意図とずれていると判断された場合、ユーザーはすぐに離脱してしまうため、ユーザーの検索ニーズを満たしたページを作ることが大切です。
サイトやページのタイトルやスニペットは、検索結果の中でユーザーが一番最初に目にする情報です。
タイトルを作る際には、競合のタイトルを分析し「なぜそのタイトルにしたのか」を考えておきます。そして、それを意識した上で「なるべく30文字以内に納める」「選んだキーワードはなるべく最初にもってくる」「具体的な数字を含める」といったことを意識するのが基本的なタイトルの作り方になります。
※具体的には、PC検索が多い場合には「30文字以内」スマートフォンでの検索が多い場合には「36〜41字以内」にするとタイトルの最後まで表示されるためおすすめです。
スニペットは「通常のスニペット」「リッチスニペット」「強調スニペット」の3種類があります。
「強調スニペット」は検索エンジンが自動に選んでいるもののため、こちらの意図通りの内容を表示させることはできませんが、「通常のスニペット」「リッチスニペット」は後述するディスクリプションや後述する構造化マークアップを利用することで表示する内容をコントロールできるようになります。
どちらもSEOに直接効果があるわけではありませんが、ユーザーがサイトを訪れる可能性を上げる効果がありますので、設定することをおすすめいたします。
検索ユーザーが必要とする情報を十分に満たした網羅性の高いコンテンツは、Googleに評価されて、検索エンジンの検索結果で上位表示が見込めます。
ですが、情報の網羅性を判断するための明確な基準はいまのところGoogleでは発表されていないため、一般的には上位表示されている競合サイト達に含まれる「見出しの内容」を網羅できているのかと「文字数」を基準に判断することが多くなっています。
まず見出しの内容を網羅するについてですが、正確には記事の内容を網羅するという意味です。ではなぜこのような書き方をしているのかと言いますと、一つの記事を作る際に、競合サイト達の記事を全て読んで内容を把握するのは時間と労力がかかりすぎてしまうからです。
その点、見出しというものはその部分に書かれている情報を要約したものですので、見出しを網羅することで、かかる時間と労力を抑えながら、ある程度記事の内容を網羅できるようになります。
文字数に関しては、上位表示されているサイトの平均を上回るとよいとされています。ですが、文字数が多いこと自体は「十分な量の情報を網羅した」結果論であり、SEOの効果に直接的に影響を与えることはないと考えておくのが良いでしょう。
無意味な単語を並べただけの文字数を重視したコンテンツを作っても、そのコンテンツがGoogleに評価されて、検索結果の上位を獲得できるわけではありません。
情報を網羅するためにサイトの文字数が多くなったからこそ、文字数の多いコンテンツが上位表示されしやすいという傾向があるだけなのです。
情報は日々更新されていくナマモノですから、常に新しい情報が提供されていることが望ましいとされています。ある時点で作られたコンテンツがその時には問題のないものだったとしても、状況が変われば「嘘」になってしまう事もありうるのです。
コンテンツの内容に嘘があれば、当然検索エンジンからの評価は下がることになります。悪質なものと判断されれば、最悪ドメインごと評価を下げられてしまうかもしれません。こういった事態を防ぐためには、こまめにコンテンツの内容が現状に沿ったものになっているかを確認し、間違った内容があるならば迅速に修正・訂正し続ける必要があります。
ただし、コンテンツの更新頻度≒情報の鮮度(情報が現状に即しているか)ですので、大きな内容の変更もないままにコンテンツの更新日時を変えるだけでは基本的に効果はありません。
繰り返しではありますが、ユーザーにとって有益なコンテンツであるかが検索エンジンで上位表示されるかの判断基準です。ユーザーにとって有益なコンテンツであり続けるために、結果コンテンツの更新頻度があがるという状態が望ましいものなのです。
特に美容や不動産、税金などの定期的に法律が改正されるジャンルについては注意が必要で、コンテンツの内容によっては法律が改正されることで間違った情報になる可能性が高くなります。
コンテンツの信頼性がSEOにおいて重要であることはE-E-A-Tの項でも触れていますが、ここでは具体的にどんな情報が信頼性に影響があるのかを解説していきます。
・運営者情報・記事著者
サイトや記事が誰によって作られたかという情報はWebサイト全体やコンテンツの信頼性に大きく関わります。そのため、個人でWebサイトを運営している方は名前もしくはペンネームを、企業でWebサイトを運営している場合は会社名や代表者氏名、所在地や電話番号などを明示するようにしましょう。
・監修者情報
コンテンツやページの作成者自体が専門家や有資格者でなくとも、監修者に情報の正確性や専門性を担保してもらうことができます。
YMYLのジャンルでは特に正確性と専門性が重視されるので、なるべく専門家や有資格者のコンテンツ作成者か監修者を用意して、その情報を明示するようにしましょう。
・引用、参照情報
Webサイト内の記事やコンテンツに使われている「情報の出自」は、コンテンツの信頼性に大きな影響を与えます。不確かな情報で記事やコンテンツを作成してしまうと、検索エンジン側からペナルティを課せられるような事態も起こりえますので、外部のサイトから情報を引用・参照する場合は公的機関などの一次情報を利用し、正確でないかもしれない情報は使用しないよう心がけましょう。また、引用・参照の際は出典元を明示し、可能ならば許可をとって使用するようにしてください。
アイキャッチ画像に直接的なSEO効果はありませんが、クリック率の増加や直帰率を下げる効果が期待できるため、間接的なSEO効果を期待できます。
また、バーティカル検索やリッチスニペットといった検索画面にアイキャッチ画像が表示される場合には流入増加が期待できるようになるため、その点でもアイキャッチ画像を設定するべきです。
他の画像同様にaltタグの設定をしなければ、クローラーがインデックスする際に何の画像か認識できなくなるため、必ずaltタグを設定するようにしましょう。
SEOの内部施策は、サイトやコンテンツの内容の質を高めるのではなく、内容の構造を検索エンジンに対して最適化していく対策のことです。
内部施策は主に検索エンジンに正しく評価してもらい、より多くの情報を検索結果に反映してもらうための施策と、ユーザーにとってコンテンツが受け入れやすい形になるようにする施策にわかれます。
施策の内容によってはSEOの知識だけでなく、UIやUXなどのWebデザインの知識も必要になりますので、エンジニアやデザイナーと協力して進める必要があります。
タイトルはユーザーが何かを検索した時に検索結果の一番目立つ場所に表示される、webコンテンツの中で最も重要なパートの一つです。
そんな重要なパートの中身を確実に検索エンジンに伝えるために必要なのがタイトルタグの役割です。
タイトルタグを設定しなくても検索エンジンはコンテンツ内の本文やhタグを参考に「タイトル」を用意してはくれますが、制作者が意図した通りの「タイトル」がつけられるとは限りませんので、効果的なSEO対策をするなら必ず設定するべきものです。
同様の働きをするものとして他にも、「画像の内容を正確にクローラーに伝える」ために「オルトタグ」や、「サイトの内容を要約した概要文」を設定するための「メタディスクリプション」があります。
タイトルタグほど直接的に検索順位を上げる効果はありませんが、クローラーがコンテンツの内容をより詳しく認識できる様になり、検索結果画面でユーザーにとって有益なコンテンツであるということをアピールしやすくなるのです。
メタディスクリプションの内容は、検索画面のタイトルの下に表示されるので、検索画面に表示される文字数の関係から、パソコン向け(PC版)であれば90文字~120文字前後、スマートフォン向け(SP版)であれば70字前後にまとめるのが良いとされています。
構造化マークアップはJSONというフォーマットを使用して、検索エンジンのクローラーがテキストやコンテンツの内容をより理解しやすくなる環境を作り出す施策です。これにより検索結果に強調スニペットやリッチリザルトを表示することができます。
記事やコンテンツの重要な部分を強調して検索結果に表示する「強調スニペット」や、タイトルとディスクリプション以外の情報を検索結果に表示させる「リッチリザルト」、どちらも検索結果の画面内でユーザーの注目を集めやすくなり、結果ユーザーのクリック率の上昇が見込める施策です。
適切に内部リンクを設置することで、クローラーによるページの巡回漏れを防ぎ、検索結果にコンテンツが表示されにくくなるという機会損失を防ぐことができます。
また、関連性の高いページ同士がリンクしあっていることで、検索エンジンにサイト全体の専門性が高いと認識されるため、結果としてサイトの評価を向上させることができます。
当然こういった環境であれば、ユーザー自身が求める情報を見つけやすくもなるので、対人間・対検索エンジンどちらにとっても効果のある施策と言えるでしょう。
内部リンクはコンテンツ本文以外の場所にも設置することができます。
サイト内のページが増えれば増えるほど、後から整備する時にリソースコストがかかります。そのため、サイトを作成する初期段階から内部リンクの構造を意識しておくことをおすすめします。
パーマリンクとは、記事ページのURLで「https://ドメイン名/カテゴリー名/○○」○○の部分を指します。パーマリンクの形式の違いはSEOに対して直接的な影響はないとされていますが、ユーザビリティやコンテンツ管理のために可読性があり、短いものであることが好ましいでしょう。
長くわかりにくいパーマリンクは、ユーザーがページの内容を推測しにくくしたり、管理者が特定の記事を探す際に障害になる可能性があるからです。
そのため、パーマリンクの設定は記事のコンテンツに合った短くわかりやすい英単語を使うことが推奨されています。パーマリンクの設定はあとから仕様を変更しようとすると、意外とリソースをとられたり、そもそも検索エンジンから別コンテンツと認識されて評価がリセットされたり、とあまり良い結果にならないので、サイト構築初期から計画的な運用を心がけておきたいものです。
検索画面のタイトルの横やウィンドウのタブ、ブックマークをしたときなどに表示される「ファビコン」と、ページをSNSでシェアされた時に表示される「OGP」に直接的なSEOの効果はありません。
ですが、ファビコンは検索結果やブラウザでタブを開いた時など、端々で表示されるため、ブランド(ロゴ)に対するユーザーの認知度や単純接触効果による好感度の上昇が期待できます。
また、OGPも、SNSで拡散された際に気づかれやすくなったり、シェアされた投稿自体が魅力的になることでユーザーを呼び込みやすくなったりするため、拡散力の強化を期待することができます。
ユーザーにとって対象のサイトが利便性の高いものになっているのかを測る指標が「ページエクスペリエンス」です。ページエクスペリエンスのスコアが高ければ高いほど、ユーザーがストレスなくサイトを使用できる状態であるとされます。
文字の大きさや色などが原因で視認性が悪い場所がないか、サイトがSSL化されているか、広告の量が多すぎて主要なコンテンツの閲覧を妨害していないか、コンテンツの幅やボタン同士の距離などのサイトのUI/UXデザインなどが主な評価項目となっています。
ページエクスペリエンスのスコアは、「ツールの導入(無料)」章でも紹介している「Google Search Console」や「Lighthouse」を使用して簡単に調べることができますので、ぜひ一度現状を確認してみてください。
引用:ページエクスペリエンスのGoogle検索結果の影響について
ページスピードとはサイトが表示される速度のことです。ページスピードが遅いと、サイトを訪れてくれたユーザーにストレスを与えることになってしまい、ページが表示される前に離脱してしまったり、サイト内を回遊する気がそがれてしまったり、といった問題が発生します。
PageSpeed Insightsというサイトで「パフォーマンス」の項目を見れば、簡単にページスピードを確認することができ、「プラグインの見直し」「画像ファイルサイズ」「レイジーロードの導入」「JavaScriptの見直し」など、表示速度の改善施策も提示してくれます。ただし、Web開発の知識が必要になる場合がありますので、エンジニアと相談の上改善するかどうかを決めましょう。
ユーザーが閲覧しているデバイスに合わせてサイトのデザインやサイズが変わるようにすることをレスポンシブ対応と呼びます。スマートフォンが普及している現代において、サイトのレスポンシブ対応はSEO対策の前提条件になっていると言っても過言ではありません。
実際Googleの評価基準には「モバイルフレンドリー」という項目があり、サイトが適切にレスポンシブ対応をしているかどうかが検索順位に影響します。
Google公式の「モバイルフレンドリーテスト」にて、対象のサイトがモバイルフレンドリーの基準を満たすことができているかを簡単に確認することができますので、レスポンシブ対応をしたらコチラで確認をしましょう。
モバイルフレンドリーテスト←2023/12/01にサービス終了
サイトが安全な方法で配信されているかはURLの左側にあるアイコンで確認でき、基本的にはインターネット上の通信を暗号化する「SSL化」をすることでこの条件を満たすことができます。
Googleではユーザーのセキュリティとプライバシーを保護するため、サイトをSSL化することを強く推奨しており、SEO的にも必須の項目です。
SSL化の方法は契約しているサーバー会社によって手順が変わりますので、各社の用意している手引きに従って導入してください。
Googleが発表している「ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について」にて、主要なコンテンツを妨害する、またはコンテンツから注意をそらすほどの大量の広告が掲載されていないかを自己評価の項目に入れており、無計画に広告を貼りすぎることはサイトのエクスペリエンスに悪影響を及ぼします。
特にインタースティシャル広告と呼ばれる画面全体に表示される広告については、ユーザーの約7割が離脱するという結果を発表しているため、使用する場合はユーザーの閲覧を阻害しないような工夫が必要になってきます。
引用:Google+: アプリ ダウンロードのインタースティシャルに関する事例紹介
ここで言うUI/UXデザインは、訪れたユーザーが検索した際に求めていた情報を発見しやすいか、サイト内にあるボタンなどのクリックできる部分が判別しやすいか、などが問われます。
UI/UXデザインが悪い時の例としては「画面サイズに対して文字が小さすぎる」「背景色との兼ね合いで文字の視認性が悪くなっている」「ボタンなどのクリックできる要素同士の間隔が近すぎて意図していないものをクリックしてしまう」などがあります。
これらの問題はGoogleサーチコンソールを導入していれば、問題が発見されるたび自動的にメッセージが送られてきます。入稿途中のページについてもメッセージが送られてくる場合もありますので、中身を見て問題がないか判断して、適切な対応をとるようにしましょう。
SEOの外部施策とは、外部のサイトから自社サイトへのレビューや被リンク数を増やして、間接的に検索エンジンからの評価をも向上させることを目的とした対策手法です。
一部、積極的に動いてレビュー・評価を得る方法もあるにはありますが、どちらかというと他者(のサイト)から良いレビュー・評価を得られやすくなるようなコンテンツ作りを注意して心がけるという施策になります。
評判やリンクを獲得する方法は他サイトの記事にリンクの設置を依頼する、他のサイトに記事を寄稿するなどの方法がありますが、その中でもおすすめの方法をいくつか紹介いたします。
・一次情報を発信する
貴方だけが知る有益な一次情報があれば、他者はそれをこぞって紹介したがることでしょう。例えば自分の実体験に基づいたレビューなども信頼性の高い一次情報として扱われます。そのため、他者が関連した内容の記事を作成する際に信頼性を増すために、レビューが引用されることが期待できます。
・完成度の高いインフォグラフィックスを作成する
インフォグラフィックスはわかりにくい情報やデータを、図やイラストでわかりやすく表現したものです。そのため、公的機関が発表している分かりにくいデータなどをインフォグラフィックスにすることで、そのデータを使用して記事を作成しようとしている人に引用してもらえる可能性が高まります。
MEOはローカルSEOの一つで、「マップエンジン最適化」を意味する、Googleマップ検索やローカル検索で上位表示を狙う手法で、「Googleビジネスプロフィール」に登録して必要事項を入力するだけで始めることができます。
※ローカル検索 場所に関連するキーワードを入力したときに、現在の位置情報を考慮したうえで検索結果が表示されること。
Googleマップでの上位表示には「関連性」「距離」「知名度」の3つが重要な項目となっています。Google公式から「Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法」が発表されておりますので、気になる方はこちらを確認してみてください。
引用:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
SEO対策は比較的ローコストで始められる手軽なマーケティング施策の一つではありますが、誰でも結果を出せる簡単なモノ、というわけではありません。正しい情報やイメージをもって運用しないと、無駄にコストを投じるだけで望むような成果が出せない可能性もあります。
そのようなことがないよう、以下に挙げるポイントを守って効果的なSEO対策を運用するよう心がけてください。
SEO対策は「広告」などのマーケティング施策に比べると、結果が出るまで時間がかかるものです。これがさらに「良い結果」がでるまで、というともっと多大な時間・労力を必要とします。
ここまでの章で語ったように、SEO対策を始めると決めてから、各種準備をし、サイト自体の整備をして、コンテンツを作成し、ある程度の分量の情報が集積されて検索エンジンに評価をされ、ようやく全体として検索結果の上位表示を狙えるサイトになる、という手順があるからです。
Google公式の見解ではありませんが、ドメインオーソリティやエイジングフィルターと呼ばれるスパムや詐欺を防ぐことを目的とした指標があり、ポッと出のサイトに良いコンテンツを掲載しても、長い時間評価を受け続けてきているサイトと比べると十分な結果が得られるまでの時間に差が出てしまいます。
SEO対策を始める際には、結果が出るまで数ヶ月以上の時間がかかるというつもりで計画的な運用をしましょう。
SEO対策の施策として作成したコンテンツはわざわざ削除しない限りはインターネット上に残り続け、オーガニックな流入数を獲得し続けることができます。が、その総量はサイトやコンテンツが検索結果の上位に表示され続けているかどうかに左右されます。
「新しいコンテンツを作る」「記事のリライトをする」といった検索結果の上位表示を獲得・維持するための努力を続けなければ、徐々に検索順位は下がっていき、最終的には流入がなくなっていきます。
SEO対策のメリット部分で作成したコンテンツが資産になるとお伝えしましたが、一度作って上位表示したら終わりではなく、上位表示を維持し続けるための努力が必要だということを覚えておく必要があります。
SEO対策を成功させるには、コンテンツの質と量、両方が必要になります。どちらか片方だけに偏っても、思うような成果に繋がらないことがほとんどです。
検索結果に上位表示されるコンテンツには、ユーザーの求める情報が網羅的に提供されていることが必要で、どうしてもある程度の文字数が必要になってきます。
しかし情報量がただ多いだけで質が悪いコンテンツに対しても、ユーザーはニーズを満たせないと感じて、読了することなく途中で離脱してしまいます。折角訪れてくれたユーザーにそのような行動をさせてしまうと、検索エンジンに評価されないどころか、むしろ悪評価を受けてしまいます。
そのため、SEO対策を効果的に進めるには、ある程度の質を持ったコンテンツの数を増やしていくことが必要になるのです。
Googleでは年に数回検索アルゴリズムとシステムに対して「コアアップデート」と呼ばれる大きな変更を加えています。
このアップデートがあるときはGoogle公式から事前アナウンスがあり、検索アルゴリズムにどのような変更が加えられるのかが知らされます。影響力は施策によってまちまちなので、ある日突然検索順位が大きく変動することがあります。
コアアップデートの直後に検索順位が下がった場合は、どのページが最も影響を受けているのかを把握し、どのような変更によるものなのかを確認・推測して、再度対策をし直す必要があります。
コアアップデートは、基本的に3〜4日程度で更新がほぼ完了し、徐々に制限が緩和されていきます。大規模なアップデートの際は、すべてが完了するまでに約2週間ほどかかる場合もあります。
これまでの内容で少し触れているものもありますが、SEO対策をするにあたって気をつけておかないと検索エンジンに不正とみなされる行為があります。
Googleは公式に不正にあたる行為の情報を発表しています。このルールに抵触していると判断された場合、サイト全体がペナルティを受け(俗に「Google八分」などと呼ばれる状態)、検索結果での掲載順位が下がったり、そもそも検索結果にまったく表示されなくなったりします。SEO対策の担当者は必ず下記のページを確認しておくようにしましょう。
検索上位を獲得したいキーワードで記事を作成していると、どうしても他サイトの記事と内容が似通ってくることがあります。多少内容が似ていても、他にはない独自の新情報や見解を取り扱っていて、検索エンジンから他サイトのコンテンツよりも付加価値が高いコンテンツであると判断されれば良いのですが、そうでない場合コピーコンテンツとしてペナルティを受けてしまう可能性があります。
このようなgoogleのスパムポリシーに抵触すると、作成したコンテンツが検索結果に表示されないだけでなく、そのようなコンテンツを掲載しているサイト全体の評価が落ちる可能性もあります。
一度ペナルティを受けてしまうと、解除のためにはペナルティを受けているコンテンツを自ら同定し、問題個所の修正をして、再審査を受けなければなりません。この再審査手続きには数日~数週間かかることもあり、貴重なリソースをマイナスのリカバリーのために費やさなければいけなくなります。
記事やコンテンツを作成する際に間違った情報をわざわざ発信しようとする方はいないと思いますが、そもそも情報ソースが間違っていることに気づかずそのまま公開してしまう可能性はゼロではありません。
誤った情報を発信してしまった場合、検索エンジンにフェイクニュースと評価されて検索結果に表示されなくなってしまいます。
そのため、情報ソースを信頼のできる一次情報や公的機関が発表しているデータに限定するか、あやふやな情報は事前にエビデンスの調査をしっかりと行うようにしてください。
SEO対策とリスティング広告は、費用をかける対象、上位表示を獲得するまでにかかる期間、施策自体の有効期限、に大きな差が存在します。
どちらも検索エンジンの検索結果のFV(ファーストビュー)部分に表示されるという点では同じですが、「リスティング広告」はその場所にコンテンツを掲載することにコストの大半が費やされ、「SEO対策」は上位表示させるコンテンツを作成するためにコストがかかります。
リスティング広告は必要十分な広告費を用意すれば、指定の場所に好きなタイミングで掲載されます。また、広告掲載費は掲載後すぐに発生し、その場限りのものとして消費されます。対照的にSEO対策は、コンテンツ作成時に費用が発生しますが、検索結果の望んだ場所に表示されるようになるまでにはある程度時間がかかるか、そもそもクオリティ次第では表示されないこともままあります。代わりに一たび上位表示されるようになると、追加の費用などもなく、顧客にアプローチし続けることが可能です。
以上のように、一見得られる結果は似ている様に見える両者ですが、中身は大きく異なります。どちらが優れているとか劣っているというモノでもないので、状況にあわせてどの手段が最適かを検討するようにしましょう。
Google検索セントラルではSEO対策の成果がでるまでには4ヶ月〜1年かかるとされていますが、コンテンツ単体の検索結果順位自体は公開してからおよそ1ヶ月前後でつき始めます。
SEO対策にかかるコストは基本的には人的リソースに関わるものがほぼすべてになります。また、成果物のクオリティは運用担当者の知識・スキルに依るところが大きく、誰に何をどれだけ依頼するのかによって大きく変動するため一概にこれをやると幾ら、という風に説明することはできません。
そのためこの稿では、弊社「株式会社GoF」のマーケティング担当者ならば工程ごとに人日換算でこのくらいの工数をかけております、という一例を記しておきます。ちなみに弊社でも担当者によって変動はしますが、人日単価は4万円~と考えてください。
SEO対策の方向性を決めるための情報収集・分析調査を行い、最適な戦略を作成・提案する工程です。SEO対策の基盤を作る重要な工程ですが、GoFでは以降の工程の契約が成立するならば無料で行っております。
社内にマーケティングの専門部署がや担当者が存在しない場合、日々状況が変化するSEO対策の運用をコンサルティングしたり、担当者候補に対するコーチングを行いながら、同時に実作業をまわしていかなければならないこともあります。
SEO対策で最も重要となるキーワードを選定する工程です。適切なキーワードを選定できているかどうかで、SEO対策の成否が決まります。
この稿で説明してきたモノの集大成が結実するパートです。難易度や分量によって左右されますが、ここではごく平均的な1万文字くらいの成果物を想定しておきます。
SEO対策と一言でまとめていますが、この稿で記したように列挙して俯瞰すれば、様々なレイヤーにおいて様々な「対策」を組み合わせた複雑な体系の技術の総称であることが理解できたと思います。
また、SEO対策を運用して一定の成果を出すためには、一過性ではなく長期的な計画のもとに継続的なコストを支払い続ける必要があります。
SEO対策を運用するだけでも少なくはない知識や経験そして人的リソースも必要になるので、全くの未経験から独学で成果を出そうと考えるのならばそれこそ年単位の時間が必要になってしまうかもしれません。
有限である時間的資本的リソースを有効に活用するため、是非本稿で「SEO」の概観を理解し、効率良く学習するか、または信頼のできる運用委託先を見つけて、貴方のビジネスの成長に役立ててください。